新人弁護士座談会(2018)
新人弁護士座談会 (実施日:2018年3月5日)
参加者:藤井藍沙弁護士、塩澤裕樹弁護士
(1) 2分間で、自己紹介をしてください。
(2) どうして弁護士になろうと思ったのですか?
(3) 趣味はなんですか?
(4) 自分にしかできない活動はありますか?
< (1)2分間で、自己紹介をしてください。 >

塩澤(以下「S」):はい。岡山パブリック法律事務所の津山支所で1月から勤務をしております塩澤裕樹と申します。
S:はい…。(先ほど話した内容をもう一度大きい声で話して)よろしくお願いします。出身は長野県の飯田市で津山市と人口がほとんど同じくらいのところです。なので今、津山に来て少し懐かしいような気持ちで仕事をしています。その後東京で8年ぐらい大学・大学院に行って、その後高知で1年間(司法)修習をしてから岡山にきました。岡山は初めての土地なんですが、パブリックの人達に優しく指導してもらいながら過ごしているので、とても過ごしやすい日々を過ごしております。よろしくお願いします。
S:僕は法テラスの養成弁護士として一年間の養成のために、岡山パブリックに来ていて一年間の養成期間が終わったら、法テラスの弁護士として、全国の各地に赴任することになっています。
S:赴任するのは3年間を予定していて、僕は司法過疎地とよばれている弁護士の数が少ないところで仕事をしたいと思っています。
藤井(以下「F」):春日町の本部で1月から働いています、藤井藍沙と申します。趣味はピアノを弾くことと、掃除とか片付けすることがすごく好きです。本部の事務員さんと掃除部を作って給湯室の掃除をしたりとか、楽しく過ごしております。お昼ご飯も事務員さんと一緒に食べさせてもらって、1月からとっても楽しい毎日を過ごしています。
F:まだ1分!弁護士になる前はなんかパブリックって、すごい大変だなっていうのを想像してたんですけど、予想以上にたくさんの人に教えてもらったり、事務員さんも優しくて毎日楽しいです。1回もパブリックに入って後悔した日がないです。以上です。
F:自己紹介はもうないですよー。あ、出身は愛媛県です。愛媛県に生まれてその後引っ越しして千葉に住んだり、大阪に住んだりして岡山県には縁もゆかりもなくてパブリックで働くので初めてきました。
二人:はい。
< (2)どうして弁護士になろうと思ったのですか? >

F:弁護士は…唯一、人の代理人になれる仕事で誰かのために、何かをしたいと思っても弁護士以外の職業だと制限があるんですけど、弁護士だと制限なく困っている人の力になれると思ったからです。
F:例えば自分で交渉ができないとか、困ったことを言われた時に弁護士以外の職業だと代理人にはなれないじゃないですか。だけど弁護士だと無制限に仕事ができるじゃないですか。なので弁護士になりたいと思いました。
F:はい。
S:はじめて弁護士っていう職業を知ったのが母から教えてもらったんですけど、母に弁護士に向いていると思うみたいなことを言われて。その当時はよくわからなかったけど、それが縁になって、法律のこととか弁護士のこととかをいろいろ知るようになって。結局大学に入ってから司法試験を受けようって決めたんですけど、その一番のきっかけになったのが、教授で、「法整備支援」っていう活動をされている弁護士の先生がいて、「法整備支援」というのは海外の法律を作る支援をすることですけど、その海外の法律を作る仕事を弁護士がしているという話を聞いたりとかして。その人は NPOの活動でされている人だったんです。まあ藤井さんとかぶることになるんですけど、そういう資格があればどんなところでも必要とされる自分になれるなっていうのが結構大きくて。だから二つですかね。法律っていうのが自分に合っているなって思ったということと、いろんな活動の幅が広い、資格があるってことで訴訟だけじゃなくてそういう海外の「法整備支援」とかの活動の幅があることが、弁護士になりたいと思った理由です。
二人:(笑)。
S:えーと中学生くらいと思うんですけど。職業体験みたいなのが中2くらいのときにあって。特に何も決まってなかった、考えてなかったので、そういわれたこともあって裁判所に行きました。職業体験みたいな。
S:自分で、各自で選んでいきました。
S:授業ではあります。各人で選んで自分の職業、なりたい仕事のところへ。
S:なんでなんでしょう。その時は裁判所に行くことしか考えてなくて、弁護士事務所という選択肢がなかった。公の施設だから学校として行きやすかったのかわかんないですけど。あんまり理由はないです(笑)。
< (3)趣味はなんですか? >
S:じゃあ僕から。えーと…趣味ですよね。(しばらく沈黙)
S:一番の最近の趣味は、映画を見ること。修習の時から週に一回映画館で見るっていう、自分が面白そうかなと思って選んで見るようにしていたけど、津山に来てからは映画館が近くにないのでツタヤだったりゲオだったりにいって一週間に2本くらいみています。
F:えーすごい。
S:最近あったのが「100円の恋」っていう日本の映画で、人が変わっていく様子が泥臭く描かれてよかったと思いました。
F:誰が(主役)?
S:安藤サクラが主役で。
S:安藤サクラが出てて、泥臭い感じなんですけど、人が成長したり変わったりする姿が描かれていていいなと思いました。
F:さっきも言ったんですけど、ピアノを弾くことと、読書と後片付けです。初任給で高い洗剤を買いました。
F:1万円したんですよ。4リットルで。
F:ピアノは3歳からなので、ずっとやっています。ピアノの先生に昔はなりたかったです。
F:やめた理由は…なんか本当に好きなことを仕事にすると苦痛になるっていうことが一番大きくて(笑)。息抜き。今ピアノも弾いていますけど、仕事にしなくてよかったと思います。好きなんで。
F:掃除とかは、大人になったらどんどん目に見えて効果・成果がわかるものって少なくなるじゃないですか。でも掃除とか片付けとかはやったらやった分だけすぐにわかるんで、満たされます。
< (4)自分にしかできない活動はありますか? >
F:特にこれといってないですけど(笑)。
S:まだ模索中…。
F:まだわからない…。
F:あんまりストレスがたまらない性格なので。なんていうか…パブリック向きなのかなあと(笑)。こういうことを載せちゃうとマイナスになっちゃうから。
F:そもそもたまらないです!
F:ホントに寝ると忘れるんですよ。
F:うーん…でもそれも忘れちゃうんですよね。嫌なことは忘れちゃう。むかついたこととかはメモしておかないと忘れちゃうんで(笑)。
F:嫌なことというか。すごいひどいことをされてでも忘れちゃうから、むかつくと思ったこととかメモしないと忘れますね。
S:そうですねー、もともとおじいちゃんおばあちゃんと一緒に住んでたっていうのがあるのかわからないですけど、おじいちゃんおばあちゃん子で育ったので、結構お年寄りと話すのはストレスがたまらないし、ずっと話していられるような気がするので。高齢者の方のいろんな話を聞いたうえで(事件処理)できるのかなと思います。
S:逆にこっちの(感情を)伺ってくるというか、自分の感情を出さずにこっちの方向を調べるというか。自分の中に入ってくるような感じの人は警戒しちゃうかもしれないです。あんまりやっていてそういうことはないですけど。
F:何かいいこと。パブリックの!
S:入ってよかったこと…ほんとに僕は法テラス(養成弁護士)なので1年で、もしかしたら一人でやっていかなければならなくなることを考えると、いろんな事件をやらないといけないといけなくなるんですけど。入ってまだ2ヶ月くらい経ってない段階ででも、結構いろんなものを見れていて、経験になっているのでそれはすごいよかったなと思っています。
F:ホントにいろんな種類の事件がある。たぶん2ヶ月で、通常では経験できない種類もできている。あと弁護士がたくさんいるのでいろんな人の書面とかも見れるし。
S:相談もしやすい。
F:そう!誰かが何かをやってるから、(誰かに)聞ける環境っていうのがいい。事務員さんがたくさんいてすごいいい。皆さん親切だし。
F:でも就活する修習生は読みますよ!
二人:読んでます!読みました!
F:ネガティブでした。
F:特にやばいと思ったのが江口先生の(座談会)。あれ本当に疲れ切っている。
S:河内先生との2年目のやつ。
F:今後の希望も夢もないみたいな(笑)。だからもうちょっとポジティブな。
F:まだ2か月なんでね。どっちかが今まではしゃべる人がいたとか。
F:あの二人ネガティブなことたくさんいうから。
(しばらく沈黙)
F:河内先生とか「あきらめることを覚えました」とかって超ネガティブ(笑)。
F:私、割と電話対応とかやらせてもらっているんですけど、電話も、弁護士だからその人(依頼者等)の代わりに話しが全部できるじゃないですか。それで相手も私が弁護士だから話を聞いてくれるっていう。でももしこれが何の資格もなかったら「お前、誰だ」っていう話になるじゃないですか。でも「弁護士」っていう肩書があるから交渉とかも、相手も話をしてくれるし。
F:ない、法的な主張でも何でもないですけど。だって明らかに今出会う人って(自分より)はるかに人生経験が多い人だし、それを「お前、何言ってるんだ」って普通はなると思うんですけど、でも弁護士だからっていうのでちゃんと聞いてくれるし。
S:さっきいったことに関係すると、高齢者だったりすると、今弁護団でやってる事件があるんですけど、結構被害者の方が高齢の方が多かったりして。
S:はい。
F:名前を出す(笑)。
S:やっぱり、まず被害であったりとか感情的なところがでてきて、(法的主張のために)聞きたいところってそういう部分じゃなかったりするんですけど、でも一番感情的な部分をしっかりいろいろ聞くと、「来てよかったな」というふうに相談段階でも思ってもらえているような気がします。(実際に相談者の方に)言ってもらえたこともあるんですけど、そういうように思ってもらえていただけているのかなと。こういうのは立場があるからこそなのかなと、いろんなことを話してくれるのも。気持ちの部分を聞いて楽になってもらえるっていうのは、やっぱりそんなに今まではなかったので、やりがいを感じている部分ではあります。
F:なんか、私がパブリックにきて3、4日くらいで振られた事件、はじめて一人でやった事件で、書面を作って依頼者の人に送ったら、ここに書いてあることが自分のいいたいことすべてです、ありがとうございました、みたいなことをいってくれて。はるかに年上の人なのに(代理人に)なってよかったなと思いました。
S:それが、だんだんこういう感情がなくなっていくのかもしれない(笑)。
F:だめなの!こういうネガティブなことはだめなの!
二人:ありがとうございました。お疲れ様でした。








